固体潤滑技術：重工業関連における固体潤滑技術の適用

摘要

重工業で取り扱っている製品は、陸上機械、海上機械から航空·宇宙機器に至るまで幅広い。これらの製品のしゅう動部には、低温、高温、真空などの環境で使用されるものがあり、その使用環境は、潤滑油の適用範囲を超え固体潤滑技術に頼らざるを得ないものが少なくない。 ボイラ関連機器（高温）、ガスタービン関連機器（高温、高速）、LNG関連機器（低温）、圧延機、プレス、荷役運搬機械などの大型産業機械（高荷重）、宇宙機器（低温、真空）などのしゅう動部がその代表と言えよう。また、潤滑油が使用可能な環境下でも、初期なじみ性を良くするため、潤滑油と併用して固体潤滑剤を使用する場合もある。舶用エンジン軸受のオーバーレイなどが代表例として挙げられる。幣社では、潤滑油が適用できない環境のトライボロジーを特殊環境、あるいは極限環境のトライボロジーと呼び、ここでのキーテクノロジーがまさしく固体潤滑技術である。 ここでは、固体潤滑技術の適用事例として、宇宙環境下で用いられるすべり軸受の摩擦特性について紹介する。