潤滑管理/軸受·回転機械管理：生産設備におけるグリース給脂方法の技術動向

摘要

グリースはあらゆる用途に使用されているが、中でもベアリングの潤滑に用いられることが多い。 家電など小型の電気機器や自動車部品などに用いられるベアリングは、製品の寿命までグリースを補給·交換することなく使用される、いわゆるメンテナンスフリーが一般的である。 一方、産業用の大型機械や設備機械などに用いられるベアリングは、潤滑不良などが原因で損傷に至ると、修繕コストや運転休止による生産性の低下により企業に多大なダメージ与えることになるため、定期的にグリースの補給·交換をすることでメンテナンスを行っている。 一般にベアリングは、グリース不足やごみ·ほこり·水の混入など、誤った給脂方法やメンテナンスにより早期に損傷を受ける。ベアリングが損傷に至る原因としては、給脂忘れによるグリースなどの潤滑剤不足によるもの、および異物の収入によるものが60％以上にも上るといわれており、この数字からもグリース潤滑管理がいかに重要であるかお分かりいただけるであろう。 そこで本稿では、グリースの潤滑管理において非常に重要な要素であるグリース給脂方法を中心に解説し、さらに近年注目を集めている簡易自動給脂装置を取り上げ、その特徴について紹介する。