画像処理を用いた経編ニット製品の糸切れ欠陥検出の自動化

摘要

製品を製造する際には欠陥品を除外するために製品検査を行なう必要がある．布のような織物製品は，製造時に欠陥が発生すると布織り機を停止して人の手で糸の状態を元に戻さない限り連続して発生し続けるため，夜間などに無人操業を行なう際には製造された織物製品全体を監視し欠陥発生時に布織り機を即座に停止する自動検査システムが必要である．本研究では，スポーツのユニホームなどで多用される，経編ニットという布を欠陥検出の対象とし，その中でも生産現場から提示されたサンプルの中から模様が布全体で均一かつ欠陥の現れ方の傾向が似ている3種類を検査対象とした．対象となる布織物製品は，生産量がもっとも多い等間隔に布の生地が薄い丸い模様が存在する布と，格子状の模様が存在する布の2種類で，製造される製品の横幅の長さは約4mである．これらの布地は市場での需要量が多く，生産現場から問題解決の要望が強い．布織物製品には糸抜け，破れ，模様のずれ，毛玉の発生などの欠陥が考えられるが，本研究では発生率が最も高い糸切れの欠陥を対象とする．