坑井データと地震探査データを用いたメタンハイドレート賦存層の抽出

摘要

本研究では，地震探査データとして，基礎物理探査「南海トラフ」高分解能調査N96－FH測線と基礎試錐「南海トラフ」PSW#1とPSW#3の検層データを合わせて，特にP波速度に着目して，総合検討を行った。 その結果，以下のことが判明した。 ·基礎試錐「南海トラフ」検層データからメタンハイドレートの濃集区間が4つ抽出され，その4区間に相当する反射イベントが確認できた。 ·しかしながら，この反射イベントは坑井近傍における局所的な指標と考えられ，広範囲なメタンハイドレート賦存層の上面を示す指標と考えることは適切でない。 ·基礎試錐「南海トラフ」検層データを用い，ハイドレートの既存状況を仮定した上で，サイスミックインピーダンスインバージョンを実施し，詳細なインピーダンス分布を求めた。 ·詳細をインピーダンス分布から，メタンハイドレートの濃集区間のうち，上位の3層は良く一致した。