プラント建設契約におけるリスク分担 第4回　工事の遅延リスク

摘要

工事の遅延リスクとは、合意した一定の期日までに工事を完成させることができずに、予定したスケジュールが遅延してしまうリスクである。この遅延リスクについては、一般的に、合意した期日内に工事を完成することができない場合には原則として請負者がリスクを負担する－すなわち発注者に遅延賠償金を支払うこととしつつ、遅延の原因が請負者側にない場合には柔軟に工期延長を認めて発注者がリスクを負担する、というようにリスク分担のバランスが図られる。以下では、これを踏まえ、まずは前提として請負者が発注者に対して負う期日保証の内容について述べて、その後、工期延長と遅延賠償金について解説する。