新開発複合型流動層による薬物原末コーティングおよび微細造粒操作

摘要

今日の粉体工業界では取り扱われる原料粒子がますます小さくなる傾向があり，特に数十μm以下の粒子を対象とした微粒子コーティング操作に関しては，各種多様な流動層装置を用いた手法から，メカノケミカル法，超臨界流体を応用するなど活発な研究活動が行われている。また2002年度の当社粉体工学研究所における微粒子コーティングの客先試作検討件数は全体の約20％を占め微粒子の機能化に対する高い関心がわかる。 現在，粒子コーティングに用いられる製剤装置としては流動層が第一にあげられるが微粒子すなわち薬物原末へのコーティング操作を実施する場合，原料粉体の流動化，さらに操作中の粒子問凝集が大きな検討課題となる。 そこで実生産性を第一に考え，製剤工程で高い信頼性を持つ転動流動層を基本構造とした流動層装置に，解砕·整粒機構を付加することでコーティング操作中の不要な粒子凝集の防止や，コーティング皮膜の展延性の向上に成功した。