自動車エンジン開発にみる溶射技術の適用

摘要

近年の地球環境保護の観点から，自動車はCO2の排出量を削減するための低燃費化が求められている。昨今で はHEVやEVが大きな話題となっているが，今後の10年， 20年を考慮した場合であっても，内燃エンジンは，相当 の比率で残ることが予測されており，更なる低燃費化と 有害物質の排出量低減が継続して求められている。日産 自動車は2007年に高出力エンジンであるGTRのエンジ ンに日産プラズマ溶射コーティングボア（NPSC）を採 用し，高出力化と低燃費，軽量化を実現してきた。2014 年には，この技術を更に改良し，ミラーボアコーティン グ（MBC）技術として量産エンジンであるMR16DDTエンジンに採用したのでその概要を報告する。