溶射皮膜の船舶·海洋構造物への適用

摘要

溶射皮膜を船舶·海洋構造物へ適用する場合，腐食，エロージョン，海洋生物による影響などに注目する必要がある。海洋環境は鋼材にとって厳しい腐食環境であり，船舶·海洋構造物を腐食から守るための信頼性の高い防食法の開発が不可欠である。海中部，海底部以外では電気防食法が使えないため，大気部，飛沫部，干満部では環境遮断を目指し，塗装や各種ライニング被覆防食法が用いられる。溶射法では，金属皮膜が厳しい海洋腐食環境下の石油掘削基地，風力発電ベースなどの海洋構造物表面被覆に適用されており，橋梁等の防食·防錆技術と同じ考え方のZn，Al，Zn－Al，Al－Mgの電気化学的特性を利用した皮膜が主として用いられてきている。