夏秋栽培トマトにおける殺虫剤防除体系のオンシツコナジラミの防除効果およびオンシツツヤコバチの発生に及ぼす影響

摘要

2005年に福島県農業試験場において，近紫外線除去フイルムを被覆した夏秋トマト栽培ハウスを使用し，場内に定着したオンシツツヤコバチを活用したオンシツコナジラミの防除体系を検討した．オンシツコナジラミ発生初期の6月下旬からパーティシリウム、レカニ水和剤を7日間隔で3回使用した場合は，オンシツコナジラミ寄生数が減少するとともに，本種の天敵であるオンシツツヤコバチ寄生率が上昇し，天敵による抑制効果が認められ，オンシツコナジラミの密度は7～10月まで長期間抑制された．6月下旬にアセタミプリド水溶剤，8月上旬と9月中旬にピメトロジン水和剤を使用した場合は，ピメトロジン散布後にオンシツコナジラミ寄生数は減少するとともに，オンシツツヤコバチ寄生率は上昇し，天敵が有効に活用された．定植時にクロチアニジン粒剤を処理し，7月下旬にビリダベン水和剤を使用した慣行防除体系では，オンシツコナジラミに対する優れた防除効果が認められたが，オンシツツヤコバチはばとhど発生しなかった．