クラウドで実現する大規模Webブラシトフォーム

摘要

今日の企業ポータルサイトは様々なサービスを提供するとともに，サービス障害情報や災害情報などの緊急性の高い情報を公開しており，社会的に重要性が高いシステムとなっている。さらに，近年スマートフォンの普及やモバイル回線の高速化による携帯端末向けコンテンツの大容量化が進み，またソーシャルネットワークサービスの普及にょって情報がリアルタイムに共有されることで，短時間にアクセスが集中し，巨大トラフィックが頻発する傾向にあるが，そのような場合でも企業ポータルサイトには，安定して高速に応答できることが求められている。このような背景のなか，三菱電機インフォメーションシステムズ㈱（MDIS）は，プライベートクラウド技術とSaaS（Software as a Service）型クラウドサービスを利用し，数十ドメインのWebシステムからなる企業ポータルサイトの集約と，それによる企業ポータルサイトシステムの共通基盤化を行った。Webプラットフォームは多層化したキャッシュ機構を駆使して，巨大なリクエストに対して安定かつ高速な応答を返す仕組みとしている。また遠隔サイトにBCP（Business Continuity Planning）環境を構築し，大規模災害対策を実現した。企業ポータルサイトシステムの開発では，このシステムを利用する多数のステークホルダと密に連携し，システム運用フローの再定義や，性能対策の策定についてPDCA（Plan-Do-Check-Act）サイクルを実施することで，個々の課題を解決し，2013年3月からサービスを開始している。