放電加工における電極表面プロファイルが放電遅れ時間に及ぼす影響

摘要

本研究では，4種類の面粗さを有する電極を製作し表面プロファイルよる放電遅れ時間の違いについて実験を行った．そして，その実験モデルの静電界解析を行い電極表面の電界の強さと放電遅れ時間の関係を調査した．さらに，気中放電では陽極と陰極の形状により放電発生電圧が異なること（極性効果）が知られているため極性を換えて同様の調査を行った．また，ワイヤ放電加工に用いられる高速加工用ワイヤ電極は表面のコーティング材である亜鉛の影響で放電が生じ易くなり加工速度が向上すると言われている．このため本研究では，一般的に使用されているワイヤ放電加工用のワイヤ電極についてその表面プロファイルと仕事関数，放電遅れ時間の関係について調査を行った．