粉末床溶融結合（PBF）技術とその応用

摘要

最近3Dプリンターとして広く知られるようになったAdditive Manufacturing（AM、付加製造）技術は、1980年の小玉秀男氏による光造形技術の発明を原点としている。そして、AM装置の開発と事業化が開始されたのが1984年であり、2015年の現在では30年を経過した技術である。しかしながら、AM 技術は、成熟しきった技術とは言い切れないのが現状である。当該AM技術は人類が得た第三番目の加工法であり、第一の加工法である除去加工がマイナス加工、第二の加工法である成形加工を変形加工と言うのであれば、AM技術をプラス加工と言い換えることができるだろう。さて、AM技術は日本国内では当初光造形法や積層造形法と呼ばれていた。また、欧米ではRapid Prototypingと呼ばれていたが、2009年1月にフィラデルフィアで開催されたASTM国際会議に於いて、当該技術の呼称はAdditive Manufacturing（AM）技術に統一された。そして、AM技術の定義も「コンピュータ上のモデルデータからプラス加工法を用いて立体を作るプロセス」であることが規定された。