繁殖育成膠および繁殖母膠の脚弱に関する実態調査および追跡調査

摘要

豚の運動器疾患は千葉県だけでなく全国においても年間死廃率の約30％を占めている重要な疾患である。 そこで，運動器疾患の中でも特に脚弱（外見上肢蹄が示す異常症状）に注目し，その実態調査および追跡調査を実施し検討した。 材料および方法: 1．実態調査: 1）調査期間：2002年10月から2003年3月。 2）調査対象：千葉県内養豚家12戸に飼養される臨床的に健康な繁殖育成豚（以上育成豚）104頭，繁殖母豚（以上母豚）165頭。 3）調査項目：前肢および後肢の肢蹄状況（直肢，弱いつなぎ，外向きの足など6項目），起立状態，駐立状態（育成豚および母豚），歩行時のこわばり，後躯のゆれ（育成豚のみ），BCS，豚舎環境として豚房サイズ，床材，敷料，豚舎の汚れ具合，運動場の有無など10項目。 2．追跡調査: 1）調査期間：2（M2年10月から2003年8月。 2）調査対象：育成豚57頭および母豚61頭。 3）調査方法：1回目調査時に実態調査と同様に肢蹄の状態を観察。 約6カ月後に2回目の調査を実施し，転帰を調査，生存している豚については再度肢蹄状態を観察した。