3～5月収穫の寒玉系キャベツの栽培技術

摘要

近年、弁当、惣菜あるいはファーストフードやファミリーレストラン等の中食、外食産業で利用される、いわゆる加工業務用野菜に対する需要が急増している。 中でもキャベツは平成17年度には作付面積3万3千ha、136万トンの生産があり、最も重要な野菜の一つで、その約50％が加工業務用として用いられている。キャベツは神奈川や千葉、茨城など、主に関東で栽培されている「春系」と、愛知から関西および群馬、長野などの高冷地で主に栽培されている「寒玉系」の2種類に大きく分類される。 春系キャベツは結球がゆるく、肉質は柔らかくて、食味が良く、生食に向く反面、カット等加工したときに水分が多く、見栄えも悪く、加工業務用には向かない。それに対し、寒玉系キャベツは結球が硬く、重量感があり、カットしても張りがあって、ボリューム感が維持される。 また、歩留まりもよく、カット処理後の包も濃く仕上がる。そのため、加工業務の実需者からは硬く結球して水持ちのよい寒玉系キャベツが欲しいという強い要望がある。