温室内光環境制御のための赤外線カットフィルムと光選択性資材

摘要

近年の温暖化の影響で、国内の施設園芸は 高温対策が重要課題の一つになっている。ま た品目によつては通年栽培や夏越し栽培が普 及しつつある。このような背景の中、高温抑 制（または昇温抑制）のための新たな導入とそ れを実証しての利用技術の確立が期待されてレ、る。高温抑制の方法として、多くの施設園芸現 場においては遮光が一般的である。高温抑制 のための遮光の方法としては、主に内張力一 テンが用いられる例が多い。他には外部遮光 として温室屋根面上部に遮光資材を展張する 場合や、屋根面の被覆資材に薬剤を塗布する 方法などがある。他方、光合成に伴う成長-収量は日射量と強い相関がある。したがって、 高温抑制のために遮光資材で遮光すると光合 成は抑制されてしまう。この問題を解決する ために光合成に利用される可視光の透過率を 高く維持しつつ、赤外線だけをカットする資 材が開発されている。また、光要求量の低い 作物を高温期に遮光したい場合、必要な波長 範囲の光だけを透過して、外観改善、品質向 上、機能性成分増などの高付加価値化を図る ため、光選択性の資材が利用されている。