パパイアの施設栽培による安定生産技術

摘要

パパイアは、沖縄県内ではポピュラーな果樹の一つで、古くから熟栄は果物として、未熟栄は野菜として県民に親しまれてきたが、その経済栽培はこれまで遅々として進まなかった。 草本性と直立性の特性を示すため、台風による被害を受けやすいことと、奇形葉モザイクウイルスが蔓延し、甚大な被害を被ったことが主要な原因であると考えられる。 近年、これらの障壁を突破するために、1m皿目以下のネット被覆による施設栽培が有効であることが明らかとなり、パパイヤの安定生産が可能となってきた。 平成17（2005）年度までに補助事業等で導入された施設面積は約25haであり、現在も増加している。 平成15年から17年までの出荷量を図－1に示した。 成熟栄（果物）は、200t前後で推移しているのに対し、未熟果（野菜）は成熟栄の4倍以上に増如している。 パパイアには、雌株、雄株、両性株の3つの性型があり、経済栽培できるのは雌株と両性株である。 現在、県内で主に栽培されている果物用品種には、‘サンライズソロ’の両性株と‘ワンダーフレア’の雌株がある。