連結ポットトレイを活用したトマトの低段密撥栽培

摘要

トマトの周年安定生産を目指した技術である低段密植栽培については、試験研究機閑を中心に数多くの研究事例があり、その収量性と品質面の改善が可能な栽培法として期待されている。 一方で、栽培が長期間に及ぶ長段栽培に比べて作付回数が増加したり、定植や片付けに要する作業時間が増えたりするため、それらの作業に要する時間の短縮とコストの低減が省力化の点から重要となる。 イチゴ栽培用に開発されたサンラックシステム（㈱オオツ）は、「育苗が‘らぐ、定植が‘らく’、片づけが‘らく’」の3つの‘らく（楽）’をコンセプトとしたシステムで、作業の省力化を要する低段密植栽培に相応しいシステムの一つといえる。このシステムの最大の特徴は、容積250mL／ポットを10ポット連結したトレイを用いることで、ポットが連結しているため、独立ポットの場合と異なり、搬送等の作業時に別のトレイに移す作業をすることなく、10株までは一つのトレイを持ち上げるだけで簡単に複数の苗を搬送することができる。 そのうえ、特殊なポット構造により、根を容易に引き抜くことが可能なため、根を痛めることなくポットから株を引き抜くことにより、栽培期間中であれば根の状態をいつでも確認することができるし、片付け時には簡単に株を取り除くことも可能である。