北陸に適合した省エネルギー型植物栽培施設の開発

摘要

完全閉鎖型植物工場は栽培環境を任意に設定できる利 点がある力、年間売上金額を超える投資を必要とする. また，ランニングコストとして光源用および空調用の消 費電力負担も大きい.一方で太陽光利用型の植物工場は 償却費負担や光源用消費電力での優位性があるものの，北陸地方では栽培環境が季節や天候によって大きく変動 するため，やはり冷暖房や補光に多くのエネルギーの投 入を必要とする.そこで，既存のガラス温室を利用して 簡便な自動制御を付加し，光と温度を制御できる省エネ ルギー型栽培施設を構築することを研究目的とした.北 陸地方の農業振興のためには，小規模事業者が投資可能な範囲で，かつ冬期間にも低コストで栽培が可能な園芸 施設を構築する技術開発が求められる.本研究では，北 陸に適合させることを考慮して，制御条件の細部を設定 し光熱費の節減を図るとともに，省力化できるように制 御装置を自動化した.