東京農工大学における女性研究者支援システム改革

摘要

「男女共同参画基本計画（第2次)」および「第3期科学 技術基本計画」において，女性研究者がその能力を最大 限に発揮できるようにするため，研究と出産、育児など の両立に配慮した措置を拡充すること，自然科学系の女 性の採用目標25%と設定し，女性研究者の積極的な採用 を促進することなどが盛り込まれている.この背景とし て，我が国における女性研究者比率が，欧米諸国と比べ て著しく低く，女性研究者へ配慮した労働環境の整備が， 著しく遅れていることなどが挙げられる. 文部科学省では，2006年度より科学技術振興調整費の プログラムとして「女性研究者支援モデル育成事業」を 設け，女性研究者が研究と出産、育児を両立し，研究活 動を維持するための大学、研究機関などの環境整備に向 けた取り組みを支援している.さらに，2009年度より， 新たなプログラムとして「女性研究者養成システム改革 加速事業」を設け，特に女性研究者の採用割合などが低 い理学系，工学系，農学系において，優れた研究を行う 女性研究者の養成を加速し，多様な人材の養成、確保と 男女共同参画の推進に力を入れている.