日本農業気象学会2018年度大会 OS-J3 「農業気象学の原点を探る」報告

摘要

本学会創立75周年を機に「何のための農業気象学か？」 という命題が学会長から投げかけられた（北野,2017)。温 暖化やそれに伴う異常気象の頻発化が背景にあり，農業気 象学の果たすべき役割も増大している。本学会は，鈴木清 太郎ゃ中谷宇吉郎に始まる物理気象学に加えて，戦後の食 糧増産対応で農業気象災害や気象改良研究が展開され，作 物や栽培関連研究者の合流，乱流拡散やフラックス研究の 芽生え，さらなる施設栽培研究への展開などを経て現在に 至っている。これらの過程をたどり，上述の「何のための 農業気象学か？」を自問しつつ，また，真理の探求と実用 化を目指す設計科学および現場で生起する問題の解決を目 指す実際科学としての農業気象学を，過去から見直し今後 の展開を考える契機とすることも重要と考え，標題のォー ガナィズドセッシヨン（OS)を企画した。