経済変動下における和牛の肥育を考える⑤ ～新しい飼料資源を考える～

摘要

飼料用米は国内で生産される飼料用の穀物として非常に期待されている。輸入トウモロコシの価格は昨年には異常な高騰を見せ、現在は落ち着いた価格となってはいるものの、食糧専門家によると世界的には人口増や新興国の経済発展などから食糧争奪の状況は変わらないとされている。そこで、自給できる穀類として飼料用米への関心がとみに高まっている。これの栽培は、現在の収穫体系を変えることなく大規模生産も可能であり、水田機能を維持して水源滴養、土壌流出防止など、中山間地域の環境保全対策にも大きく貢献することが期待される。農水省生産局畜産振興課調べによると、飼料用米の作付面積は19年度292baであったものが、平成20年度には約5倍の1611haが見込まれるとされている。これは輸入トウモロコシ価格の高騰に対応した一連の対策がとられていることもあり、すで　に肉用牛でも取り組まれている。