バイオ大国を早指し動き出したインド国家バイオ開発計画の本当の狙い

摘要

「これから7、8年間のインドは、史上空前の経済的繁栄を謳歌（おうか）する。GDPは年率9％以上成長する見込みだ。これで生まれる政府の投資余力を活用し、07年に新しいバイオ振興策を打ち出した」　インド科学技術省バイオテクノロジー局（DBT）のSがatesh博士はこう切り出した。　インド政府は1986年、各省庁に分散されていた規制やバイオ産業振興策を統合的に推し進めるため、世界で唯一の独立した局として科学技術省傘下にDBTを創設した。だが、人員は創立時の18人から現在までに4人増員しただけ。年間予算も3億5000万米ドル程度に過ぎなかった。