京都府の早生丹波黒大豆系エダマメ商品『京夏ずきh』の 開花特性に基づく作型の開発

摘要

京都府の新たな丹波黒大豆系エダマメ『京夏ずきh』（「夏どり丹波黒1号」および「夏どり丹波黒2号」の2 品種による商品）の安定生産が可能な作型を開発するために，光周性を中心に開花特性を把握するとともに，露地栽 培における播種期の検討および簡易施設を利用した『京夏ずきh』品種の作期前進の可能性を調査した.限界日長 の存在が認められる「紫ずきh」.「紫ずきh2号」および「新丹波黒」に対し，「夏どり丹波黒1号」と.「夏どり丹 波黒2号」は，日長に関わらず開花が認められた.露地における移植栽培で4-5月の間で播種期を移動させると， 播種期に応じて収穫期が移動した.目標収量が得られる栽培適期は，5月上旬-下旬に播種する作型と考えられ，収 穫期は8月上旬-下旬であった.4月播種によって7月中下旬の収穫が可能と認めた力供試した『京夏ずきh』品 種には，栄養成長量と収量に高い開係性が認められ，特に4月中旬の播種栽培では他の播種期より莢数，莢重が少な かった.無加温のビニルハウスを用いて.収穫期の前進と安定収量を両立する作型を開発するには，3月1日播種栽 培では栄養成長量が小さく，その結果.莢数.莢重も少なかった.これより，播種期は3月下旬以降，移植期は4月 上旬以降からの時期で検討すベきと考えられ，収穫期の前進目標は6月中下旬になるものと推定された.