南西諸島の極強酸性土壌における家畜ふh堆肥施用がソバきgopyrum esculentum Moench)の生育と収量に及ぼす影響

摘要

南西諸島の国頭マージと称される酸性の赤黄色土壌地域においては赤土等流出力5大きな環境問題となっており， その対策としてサトウキビゃパイナップルとの輪作に活用でき農地地表面の被覆保護に資する新規作物が求められている.本研究は，新規輪作作物としてのソバ栽培の可能性を検討するために，土壌pH3.9-4.2の極強酸性土壌に おいて家畜ふh堆肥および苦土石灰の施用が収量および茎葉重に及ぼす影響を検討した.家畜ふh堆肥も苦土石灰も 施用しない条件におけるソバの子実収量ならびに茎葉重はそれぞれ75-104 g m~(-2)ならびに95-100 g m~(-2)であったが， l-3kgm~(-2)の家畜ふh堆肥施用により有意に増加し，それぞれ171-235gm~(-2)ならびに174-291g m~(-2)と既存ソバ産 地に相当するフれ準となった.その茎葉を農地地表面の被覆に用いると想定すると，本実験で得られた茎葉は，赤土等 流出を大幅に低減することを期待できる量と考えられた.苦土石灰200 g m~(-2)および500 g m~(-2)の施用による子実収量 および茎葉重の有意な増加効果は認められなかった.pH7以上の土壌ではパイナップルの生育障害が発生しゃすいと されるが，家畜ふh堆肥施用による土壌pHの上昇は有意ではあるものの，pH7を大きく下回ってた.