Trichoderma sp．SKT－1株からのべノミル耐性変異株の作出と変異株SKT－3株のイネ種子伝染性病害防除における実用性

摘要

イネ育苗中に発生する種子伝染性病害としては，糸状菌病ではGibberella fujikuroi才によるイネばか苗病，Pyricularia oryzaeよるイネいもち病，Cochliobolus miyabeanusよるイ ネごま葉枯病が，細菌病ではBurkholderia glumaeによるイネもみ枯細菌病，B. plantariiによるイネ百立枯細菌病，AAcidovorax avenaeによるイネ褐条病が知られており，何れも化学薬剤を用いた種子消毒による防除対象病害とされている一筆者らは，これらイネ種子伝染性病害の防除に有効な微生物について探索を行い，ノシバ根圏土壌より分離したTrichoderma sp. SKT-1 株が上記6病害に対して化学薬剤に匹敵する発病抑制効果を発現することを見出した（熊倉ほか，2003a，2003b).