異なる根頭がhしゅ病菌系統に対するバラ品種の抵抗性の差異

摘要

根頭がhしゅ病はAgrobacterium tumefaciensによって発病する土壌病害の一つで，バラは特に感受性が高く，古くから生産上問題となってきた．筆者らはin vitro検定法を用いてバラ品種の根頭がhしゅ病抵抗性検定を行った結果，がhしゅ形成率が著しく低く，根頭がhしゅ病菌のバラ細胞への付着からTーDNAの転移までのいずれかの過程で発現されたと判断できる抵抗性（病徴形成抵抗性：Resistanceto tumor formation)と，形成されたがhしゅが著しく小さく，T-DNAの転移後のがhしゅの増殖過程で発現された判断できる抵抗性（病徴発達抵抗性：Resistance to tumor development）を示すノてラ品種を選抜した．すなわち‘PEKcougel'はがhしゅがほとhど形成されず著しく強い病徴形成抵抗性を示した．また，‘Lifirane'は同様に病徴形成抵抗性が高いものの形成されたがhしゅは著しく大きく，病散発連抵抗性が低かった．これに対して‘Dukat'は，がhしゅ形成率が高く，形成　 されたがhしゅは著しく大きかったことから病徴形成抵抗　性と病徴発連抵抗性が共に低かった23）．また，R. cnaina　 およびそれに由来する台木 R. canina 'Pfarnder'は病徴形　成抵抗性が低く，病徴発達抵抗性が高かった．