合成ピレスロイド剤抵抗性ネギアザミゥマのカキに対する加害特性

摘要

産雌性単為生殖するネギアザミゥマのピレスロイド剤抵抗性系統と感受性系統について，5品種のカキの葉に対す る適性，ならびにィンゲンを餌とした際の発育速度と産卵 数を比較した.さらに，カキ2品種の果実に対する幼虫の 餌植物としての適性を2系統について比較検討した.本種 はピレスロイド剤抵抗性に関わらず力キの葉を産卵基質と して利用した力;，幼虫の餌としてのカキ葉の適性は低かつ たことから，野外において力キの葉を摂食して発生する可 能性は低と思われた.本種はカキ果実を摂食して羽化ま での発育を完了できたが，果実の餌資源としての適性は品 種および生育段階によって大きく異なった.抵抗性系統は 感受性系統よりも生涯産卵数が少ない傾向があった.カキ での害虫化にピレスロイド剤抵抗性とは別の生活史形質上 の特徴が寄与している証拠は発見できなかった.