ヒラズハナァザミゥマFrankliniella intonsa (Trybom) (ァザミゥマ目：ァザミゥマ科）によるトマト白ぶくれ症防除のための 誘引植物としての力リフォルニアポピ一およびペチュニアの評価

摘要

トマトで白ぶくれ症の被害を発生させるヒラズハナァザ ミゥマの防除にカリフォルニアポピー（以下，ポピーとす る）およびペチュニアを誘引植物として混植することの効 果を露地栽培で混植区と対照区を設けて検討した.混植区における誘引植物の株当たり開花数は6月中旬までポピー が多かったが，6月下旬には減少し，この時期からペチュ ニァの開花数は増加した.その結果，ヒラズハナァザミゥ マの発生が多い6-7月に混植区では誘引植物の開花が連 続した状態で持続した.ヒラズハナァザミゥマ雌成虫のト ラップへの誘殺個体数が多かった6月下旬から7月上旬に は，誘引植物の花でのヒラズハナァザミゥマ雌成虫の生息 個体数は増加した.対照区のトマトの花では6月上旬から7月上旬にヒラズ ハナァザミゥマ雌成虫の花当たり個体数は急激に増加した にもかかわらず混植区のトマ卜の花での増加は少なく，7 月上旬の個体数は対照区に比較して混植区は有意に少なく なった.その結果，6月上-下旬に開花した果実が対象と なった7月上旬の果実でのヒラズハナァザミゥマの産卵痕 数は，混植区が対照区に比較して有意に少なくなるととも に，白ぶくれ症による被害果率も有意に低くなつた.これらのことから，トマト圃場におけるカリフォルニア ポピーとペチュニアの混植はヒラズハナァザミゥマによる 白ぶくれ症の発生抑制に有効な手法であると示唆された.