土壌肥料学における数理統計手法の応用上の問題点3．Duncanの多重範囲検定はなぜ使えないか

摘要

科学の歴史は捏造データの歴史でもあるということができるかもしれない．Mendelの捏造データの話ほとりわけ有名である．彼ほエンドウを栽培して遺伝形質が予測通り3：1に分離することなどを実験で示した．これは遺伝学を勉強する際に高校の教科書などではじめにで霊くるデータであろう．FisherはMendelの実験データを別の観点から解析しなおし，このデータがあまりに理論値に合いすぎていることを示した．彼のようなきれいなデータが発生する確率は実に7／100，000しかないのである．Mendelのデータが担造であることほ，もほや統計学的には動かしがたい事実である．では，彼のデータはどのように捏造されたのであろうか？ van der Waerdenは「Mendelはいくつかの実験を行い，自分の期待にあった結果だけを報告した」のではないかとした．Mendelの場合は，彼の理論が「たまたま」正しかったために，データの捏造に関してはあまり問題にきれていないのかもしれない．しかし，もし彼の理論が間違っていたなら，「Mendelというのはとhでもないヤツだった」として，科学史の汚点の1つとされていた可能性もある．