肥効調節型肥料による露地ウソシュウミカンの年1回施肥法

摘要

熊本県における普通ウソシュウミカンの栽培面積ほ，2000年には1，844haであり，これはカソキツ類の全栽培面積の約22％に相当する．ウソシュウミカン栽培においても，地下水の硝酸性窒素等環境負荷や農業の担い手の高齢化等の問題に対応するため，収量，果実品質を確保しながら，環境負荷を軽減するとともに，省力的な施肥法の確立が望まれている．水稲，野菜，茶においては，その窒素吸収特性に応じた被覆尿素等肥効調節型肥料が使用されている．果樹においても，ウソシュウミカンの他，ポンカン等の中晩相で，肥効調節型肥料の施用効果が確認されている．しかし，果樹では，その年の果実を生産しながら，翌年の結果母校の発育，花芽の分化，発達等を促進する必要があり，肥効調節型肥料の実用化の例が少ない．