家畜ふh尿の新処理.利用技術と課題5.鶏ふh「肥料」の開発と利用

摘要

平成11年11月1日，家畜排せつ物の管理の適正化及 び利用の促進に関する法律が施行され，その後施策として の堆肥舎整備などが概ね完了した.しかし，家畜ふh堆肥 の積極的な有効活用法に関する課題は一部残されたままに なっている.とくに家畜ふh堆肥は，運搬や機械散布が困 難であるばかりカゝ，肥料成分含有量や肥効が明確でないも のが多く，これらが利用促進の障壁となっている（宮田， 2000).最近では，肥料高騰という生産現場に直結する極 めて童大な事象を受け，耕種農家の間では家畜ふh堆肥を 肥料として禾IJ用する考え方が強まった.さらに，家畜ふh 堆肥の肥料的価値を評価する研究開発にも飛躍的な進歩が 見られ，これまでの考え方を払拭する新しい窒素肥効評価 法が開発された（中央農研，2009a).家畜ふh堆肥の可給 態窒素（化学肥料と同等に利用できる堆肥中の窒素）は， これまで一律に畜種別に設定されていたが，開発された手 法では堆肥別に有機物の分解特性から窒素の有効ィ匕率や適 正な利用法が提案できる工夫がなされている.すなわち， これまで個々の堆肥により変動が大きく，一律に明確にで きなかった製品堆肥中の窒素肥効を明らかにすることで， 家畜ふh堆肥を適正に利用することができる.