八代海から単離した有害渦鞭毛藻Cochlodinium polykrikoidesの栄養塩利用特性と増殖動力学

摘要

Cochlodinium polykrikoides Margalefは九州西岸域での発生と被害件数が顕著で，最近になって有明海でも発生するようになってきている。 大きな被害は熊本県と鹿児島県に面する八代海に集中しており，最高被害額は2000年における八代海での39.8億円である。公表された本種による被害総額は55.46億円に上る。一方，韓国では1982年に初めて本種の発生が記録されて以来，1991年までは狭い海域での発生に限られていた。 しかし，その後次第に発生域が拡大し始め，1995年に南海岸から東海岸に及ぶ大規模な赤潮を形成した。 この時の被害額は76.4億円で，韓国における最高額を記録した。 続いて，1997年と1999年にも広範囲の赤潮が発生している。 韓国における被害総額は120.93億円である。このように水産被害が甚大であるた鋸こ，本種赤潮の発生模構及びそれに対する対策のための研究の必要性が早くから指摘されていた。