クローズアップ期乾乳牛に対するプロピレングリコール投与の周産期疾患予防効果

摘要

クローズアップ期乾乳牛139頭を用い，プロピレングリコール（PPG）を分娩まで3日間以上1日1回500ml艇口投与した群（58頭）と無投与群（81頭）について周産期疾患（ケトーシス、脂肪肝，起立不能症、乳酪第四胃変位，胎盤停滞、産婦熱，臨床型乳房炎）の発生率を比較した、その結果,PPG投与群の周産期疾患発生率（32.8％）は無投与群（56.8％）に比較して有意な低値を示した、疾病別では臨床型乳房炎の発生率がPPG投与群は無投与群に比較して有意な低値を示した、クローズアップ期に血清稔コレステロール値が100mg/dl未満または血中尿素窒素値が8.0mg/dl未満の牛に対しPPGを投与した群は無投与群に比較して周産期疾患発生率が有意な低値を示した、以上の結果より，周産期疾患を予防するためにクローズアップ期におけるPPG投与が有効であることが示唆された。