双胎妊娠の乳牛に対する2週間の乾乳後期延長による周産期疾病及び胎子死の発生率低減効果

摘要

双胎妊娠牛は，単胎妊娠牛に比べ，妊娠末期において 胎子の成長と維持のためのエネルギー要求量が大きく ， 移行期における代謝病のリスクが増大する.また，双胎 妊娠牛は，分娩予定日より早く分娩することが多く，移 行期の飼料を十分に摂取できないまま分娩を迎える.さらに双胎妊娠牛は，胎子失位など難産となることが多 く，母牛のみならず胎子の健康にも悪影響を及ぼす.そこで今回，双子分娩による事故ゃ胎子死が多発した 酪農家に対し，超音波診断装置を用い双胎妊娠診断を実施し，双胎妊娠牛を2週間早く乾乳後期へ移動し，この 飼養管理の変更による周産期疾病及び胎子死の発生率低 減効果について検討した.