住宅の窓が居住者に与える心理的効果に関する調査研究 -下宿生住居における室内環境実態と重要度満足度評価-

摘要

「窓」は住まいにおいて快適な室内環境を維持するために重要な要素である。特に下宿生の 居住環境では，防犯'プライバシーの観点から「窓の数が十分でない」，「換気が十分に行えない」など の問題点が挙げられ，窓と換気システムは室内環境の質に大きく影響する2)。そのため，快適な室内環境 を構築するために，下宿生住居の窓の周辺環境の実態を把握することは重要である。本研究は，窓まわりの実態と居住者の窓に対する意識について居住形態による差異を明らかすることを目的としている。2014年10月-11月に実施したアンケ一ト調査の分析結果から「室温が快適であること」 「窓の配置」「騒音がない」「結露がない」の4項目が，重要度が高く，不満度も高い課題項目として抽出 された。そこで，室温と窓についての項目に注目して2015年夏期に下宿生住居を対象として温熱環境実測 調査と，室内環境と窓についてのヒアリング調査を行った結果を報告する。