夏秋ナス栽培作業の軽作業化に関する研究－慣行整枝法および改善整枝法の作業労働面からの評価－

摘要

夏秋ナスの整枝法のうち，慣行法としてⅤ字型整枝法およびU字型整枝法を，改善法として防除効率の改善された音叉型整枝法をとりあげ，収穫作業時の作業姿勢および心拍数について調査し，収穫作業を収穫動作と通路移動に分け評価を行った。慣行法では，収穫動作時にⅤ字型整枝法に比べU字型整枝法では前傾姿勢が少なかったのに対し，通路移動時には収穫台車を押すため，両整枝法ともほぼ同様に前傾姿勢が多くなった。着果位置が低い時期の収穫動作では，Ⅴ字型整枝法と音叉型整枝法ともに体幹の前傾する割合が多かつた。 一方，通路移動時には音叉型整枝法で体幹の前傾が少なかった。 栽培後期には，収穫動作においても音叉型整枝法では体幹が大きく前傾することが相対的に少なくなった。 心拍数は，栽培期間を通じてⅤ字型に比べ音叉型整枝法で身体負担程度が小さいことを示同様，前していた。 以上より，防除効率を改善した音叉型整枝法は，U字型整枝法傾姿勢が少なく，作業性にも優れた整枝法であると考えらゎた。