土のコロイド現象の基礎と応用（その8）－粘土懸濁液の膨潤とレオロジー－

摘要

粘土懸濁液（粘土コロイドが水に分散した系）で，粒子あるいは粒子間に作用するエネルギについて概説し，粒子間距離と硬度の関係をふまえて，粒子間相互作用を無視しうる希薄系とその卓越した濃厚系に分類できることを示した。 粘土懸濁液の流動特性を理論的に解明する立場からすると，希薄系にみられる，粘度と固相率の直線的関係が重要である。 一方，濃厚系において，粘度は指数関数的な固相率依存性を有する。 またこの場合，固相率の増加に応じて降伏億が出現し，徐々に塑性体として挙動する。これらの事項は，さまざまな濃度における士の力学的な特徴を記述する上で極めて重要である。