ポーラス力ップの空気侵入特性を利用した 簡易な土壌水分計の開発

摘要

土壌の乾燥程度を把握することは，作物の水管理にお いて非常に重要である。土壌の乾燥程度は土壌水分計に より測定されるが，測定原理の違いによりテンシオメ一タ，TDR 土壌水分計，サイクロメータなど種々の測器が存在 する。この内，農業現場で最も使用されている土壌水分 計はテンシォメータである。テンシォメータにより沏J定され る土壌の水分張力は，作物が土壌中の水を吸い上げるの に必要な吸引圧を示し，作物が受けている水ストレスや 灌水の必要性を判断する優れた指標となる。しかし，土 壌がpF 2.7 (吸弓I圧50 kPa)以上に乾燥すると，ポ一ラ スカップを通して測器内部に空気が入り，正確な測定値 が得られなくなる。ここでは，ポーラスカップが空気を通 すというテンシォメータにとっての弱点を逆に利用し，土 壌の乾燥程度を判定する測器を試作した。この測器につ いて幾つかの知見を得たので報告する。