地場企業によるインショップ事業の収益性と利用生産者の販路分析:岡山県有限会社漂流岡山を事例に

摘要

木立（2013)は，農産物、食品流通が備えるべき流 通システムは，市場のような競争や垂直的統合による 独占ではなく ，関係主体が提携することで出来上がる ネットワークであると述べている.このような提携的 流通システムの条件を実現する理論が斎藤ら（2003) などで提唱されている関係性マーケティング論であり， それを実践する流通形態の1つがィンショップである.インショップに取り組む事例に触れた論文では，生 産者組織の経営調査や直売所や食育といった地産地消 に関係した研究で，調査事例がインショップを販路と していることを記述するに留まる文献が多く，インシ ョップを主な分析対象とする研究は少ない.