稲の稈伸長に関する一試論（3）

摘要

4．相転換の円滑化をめぐって（つづき）, (3）幼穂分化期前後の茎葉における可溶炭水化物, 全窒素の挙動. 中生栄光の主茎上の各葉位葉を生育期間を通して分析した田中（1955，1958）の報告によると，止葉（12／0）から4～6節下の，節間伸長と幼穂の発育に関与する3校の葉（8／0～6／0）の窒素含有率（1955）と全糖含有率(1958）は双方とも，ほぼ同時平行的に急上昇をしていき，へ幼積分化期ごろにほぼ同時にピーク（他の下位，上位の葉より顕著に高くなる）に達し，その後は一斉に急下降していく，特異な推移パターンを示した。 ちなみに，粗デンプン含有率（1958）については，同じ可溶炭水化物でありながら，推移パターンが異なり，下位葉から上位葉へ，順次に，上昇, 下降の曲線を描きをがら，ピークは次第に高くなっていく傾向が認めら推た。