病害抵抗性誘導の実用化技術の開発に向けて

摘要

わが国でも気候の温暖化が進み，各種作物病害虫の発生増大も予想されて，今後その対応が重要になると思われる。その一方で，2002年わが国は農耕地単位面積あたりの農薬使用量のみならず，殺菌剤市場の規模でも世界のトップとなり，各方面からは減農薬栽培を可能とするような作物保護技術の早急な開発が求められている。 しかし，病害虫や雑草の防除剤に占める生物農薬の割合はいまだ1％程度，有横農産物にいたっては全体のわずか0．5％というのが実態で，食料自給率の維持、向上と同様，農薬使用量の大幅な削減はなかなか前途多難である。