北佐久の落葉広葉樹林における炭素収支評価(下)

摘要

微気象学的手法によって得られる生態系絶交換量は光合成による純一次生産量，植物の呼吸量および微生物による土壌有機物の分解量の合算である。 生態系純交換量から呼吸量を差し引くことにより，純一次生産量を知ることができる。 植物の呼吸が起源の二酸化炭素は地上部および地下部（根）より放出される。 　 一方，土壌面から放出される二酸化炭素（土壌呼吸）量は根の呼吸量と土壌有機物の分解による二酸化炭素が合算されたものである。 呼吸量の内訳から，森林内の炭素循環プロセスを知ることができるが，これらを分離評価することは難しかった。 また，現在蓄積されている炭素量を評価するためには，植物体および土壌中のバイオマス量を評価する必要がある。このため，森林内のバイオマス量の調査と二酸化炭素放出起源の分離を試みた。