陸養帝

摘要

海産魚の養殖方法は,海面にいけす網を設置して行ういけす養殖や，陸上に養殖施設を設置して行う陸上養殖などがある。 現在行われている陸上養殖は，海から常時,海水を汲み上げて行う掛け流し式が一般的であるが,ここでは陸上養殖のうち,近年，関心を集めている循環液過式養殖について述べる。 1985年以降,わが固こおける漁業生産量が減少傾向で推移している中，養植生窪量は増加傾向にあり，水産業における重要な地位を占めっっある。 しかし，海産魚養殖では，餌の食べ残しや排泄物が海底へ蓄積したり,周辺海域に拡散したりすることによって環境が悪化し,養殖魚の成育不良や魚病の多党によって生産性が低下するといった問題が生じており，養殖にともなう環境負荷の低減が喫緊の課題となっている。 また，養植生産量が台風や赤潮,あるいは魚病の発生などの影響を受けて大幅に変動するため,安定した経営が困難になるといった問題もある。 一方，養殖魚における魚病薬の残留や環境ホルモン問題の顕在化などにより,消費者からは水産物に対して食品としての安全性が強く求められるようになっている。