植物による環境修復一ファイトリメディエーションについて

摘要

健康への影響を懸念する意識や住環境への関心の高まりから，より穏やかでコストの低い廃棄物の処理方法が望まれている。 また世界に目を向ければ，人口増加に対する耕作可能地の確保、拡大という観点から，自然に発生した汚染地域、耕作不適地においても種々の汚染物質の処理が必要になっている。 一方，なるべくエネルギーを使わずに生物の持つ特定の自浄作用を利用して有害な物質を取り除こうとする技術，「バイオリメディエーション」が近年脚光を浴びつつある。 環境問題においても先進国である欧州諸国や米国では，既にある程度確立された技術として，それぞれの地域で年間200億ドルもの市場が存在する。