食料生産へのエネルギー投入

摘要

農耕が発明されてから約1万年間を通じて，農業関係者は作物群の乾物生産（収量）の上昇に，その努力と工夫を傾けてきた。 この努力の継続と科学技術との発達によって，人類歴史上の一大業績とも呼べる「高収性農業」が確立された。 このお蔭で，人類は長年つれ沿ってきた飢えと疾病から，かなり解放された。 高収性農業は環境、生物、技術、エネルギーの四大資源を利用することで成り立っている。 とくに安価な化石エネルギーの投入によって，作物群の日射エネルギーの利用率は着実に向上し，より多くの食料を生産できるようになった。 そこで，ここでは作物群による日射エネルギーの利用，すなわち食料生産と化石エネルギーの投入との関係を説明する。