良食味、病害抵抗性赤肉メロン新品種「空知交11号」

摘要

生鮮野菜の輸入が増大している中でメロンの輸入も増加しているが（34，000t、平成12年）、肉質がなめらかで高級感のある道産メロンは、高い市場評価を確立している。 このため、産地間競争の激化、水田転作の拡大等の厳しい情勢下において、農家経営面からも極めて重要な位置づけにある。 特に赤肉メロンは全国的にも北海道を代表する味覚として認知され、道産メロンに占める割合も高まっている（札幌市中央卸売市場取扱数量で88％、平成12年）。 近年、本道においても今までにない夏場の高温、多雨を経験し、現在の主要赤肉品種において高温期に果実品質（糖度、日持ち性等）が著しく低下するなどの問題が生じており、産地からは高温期にも品質および収量の安定した赤肉品種の育成が強く求められて－いる。 また、市場からは消費拡大のため、従来の赤肉品種特有の風味（いわゆる「赤肉臭」）を低減したさわやかな食味を有する品種の育成に対する要望もある。