市民社会組織はABSの国際制度をこう考える

摘要

生物種の絶滅は自然に起こる絶滅のスピードの少なくとも100倍、多ければ1000倍の早さで進hでいる。1つの種が元来生息していた地域から姿を消すことは、周辺の生態系へ変化をもたらすだけでなく、私たちが将来にその利用価値を見出しうる資源を失うことを意味する。生物の特性に注目した利用価値の発見には、古くは品種改良によるトウモロコシの食用化や、酵母の使用によるパンの発酵などがあげられる-1980年代以降の急速なバィォテクノロジーの発展は、生物の利用の可能性をさらに高めている。記憶に新しい鳥インフルェンザのワクチン製造にもバイオテクノロジの技，術が役立つている。このように生物は多種多様な方法で利用されているが、とくにその遺伝的機能の利用が期待される動植物や微生物などの素材は遺伝資源と呼ばれて、.育種、製薬、化粧品の分野での利用がさかhである。遺伝資源の恩恵を今後も受け続けることができるか否かは、生物多様性を損失させている張本人である人類の行動にかかっている。