ヒガンバナと日本人〔11〕 日本自生ヒガンバナ種の来歴3.シロバナヒガンバナ，ナツズィセンの来歴と不稔種の誕生

摘要

17世紀前期（室町前,中期）に渡来したヒガンバ ナ'）は，19世紀初頭（江戸中期）には49の里名が 付き2), 21世紀初頭におけるヒガンバナの別名の調 查"では1,200を越える里名があることが分かりま した.これら多種の里名は日本自生の6種4)を含む いわゆるヒガンバナを対象にしたものです.そこで この1,200超の里名について述べる前にヒガンバナ (L. radiata)以外の5種，キツネノカミソリ（ム sanguined),ショウキラン(L. traubii),シロノくナヒ ガンバ十（ムalbiflora),ナツズィセン（L. squamigera) の来歴と誕生のメカニズムについても順次述べる こととし，本稿ではシロバナヒガンバナとナツズィ センについてその来歴と誕生のメカニズムについ て以下に述べます.