地域バイオマス利活用システム[6] ―地域実証事例3岐阜県中山間地域における木質バイオマス利活用一

摘要

バイオマスを持続的に利活用していくためには， その生産、収集、変換、利用等の各段階を有機的に つなげ，地域活性化に貢献し，地域全体として経済 性のあるシステムを構築する必要がある.特に，木 質バイオマスは，柱や板などの建材としてだけでな く ，近代化によって化石燃料がエネルギーの主流に なるまで，薪（まき）や炭などとしてわが国の主要 なエネルギー資源として利用されてきた.また，製材工場等から発生する工場残廃材の約95%がマテ リアルとして，建設発生材の約70%がエネルギーと して利用されており，余すところなく利用されてい るのが現状である.近年，カーボンニュートラルで ある木質バイオマス利用の重要性や利点が再認識 され，化石燃料の代替品として，発電や熱供給のェ ネルギー原料として注目を集めている力;，有効な利 用システムの構築が非常に重要となってきている. そこで，岐阜県中山間地域を対象に，バイオマスを エネルギーやマテリアルとして利用する技術を適 切に組み合わせたバイオマス利用モデルを構築す るとともに，その一部を実証し，モデルの評価を 行った.