パナマのアルティソル地帯における植林の実際（その3）－続：植林奮闘記－

摘要

筆者はかつて，本誌において，「パナマのアルテイソル地帯における植林の実際（その1）「2003年78（3）p360－364」および（その2）「2003年78（4）p462－469」というタイトルで，熱帯の劣悪環境下における植林の心得，7年にわたった植林奮闘記についてそれぞれ記した．実際，食糧増産ならびに貧困解消を目的に，森林を伐採して農牧業の拡大を図った当時の政策は，その当時としては正当なものとして評価されたものであったかもしれない．しかし，昨今，環境問題が叫ばれている現在の背景からは，土壌侵食防止，二酸化炭素排出量削減が課題となっており，違法な森林伐採や不当な農牧地の拡大は縮小の傾向にあると解釈してよいであろう．